biker's love☆2人の風 another side-3
「それは何よりです。ま、なんかヨタヨタしてたから、危なげですけどね。今から部活ですか?」
「そうですよー、そういえば、なんで陸上部だってわかったんですか??」
そっか。陸上部は有名だけど、俺らの部は弱小だし、知らないよなぁ。
「ジャージが陸上部っぽいし、グランド走ってるとこ、見たことありますから!俺、野球部なんですよ!」
ふむふむ、と納得した様子の彼女。
「そうなんですかぁ!」
「ま、もう引退なんですけどね」
「そうなんだぁ」
なんて、彼女と、駐輪場であう度に、たわいない話をするようになった。
何度か会って、話をするようになったある水曜日。
「あ、こんにちは」
いつものように、彼女に声をかけた。
「最近、知り合いのバイク乗るヤツらと、ツーリングのチーム作ったんですけど、もしよかったら、今度飲み会するんで来ませんか?」
最近、同じ学科の同級生何人かを中心にして、ツーリング行ったり出来たらいいな、と思ってチームを作った。
彼女も入ってくれたら、きっと楽しいな、なんて思ったのだけど…
いきなりすぎたかな?
「めっちゃ楽しそうですねー!行きたいです!」
キラキラした笑顔で答えてくれた。
「でしたら、また決まったら連絡しますよ」
「はい!お願いします」
その時。
♪♪♪ー
彼女の携帯が鳴った。
「やっば!部活!」
「大丈夫ですか?」
「ギリギリ飛び込みます!ではまたっ!」
今日も慌ててバイクに飛び乗り、走り去って行った。
慌ただしい子だ…
でも、ほんと、いい子だよなぁ…
あっ、しまった…
名前も何も聞かなかった。
ってか、何で今まで聞かなかったかなー。
連絡の取りようがない。
来週まで、待つしかないな。