biker's love☆2人の風 another side-2
「いーえ!どういたしまして。
見かけない新しいバイクがあったから、どんな人が乗ってるのか気になっていたんですよね!しかも、街で走ってるとこ見たことあるんですけど、女のコが乗ってるんだ!って思って、どんな女のコだろう、って」
思わず、口走ってしまった。
「こんなかわいい女のコが乗ってるんだ、って思って」
ちょっと恥ずかしそうな顔をする彼女。
言った俺の方が恥ずかしい…。
「見られてたんだぁ!運転まだ下手だから恥ずかしいです…しかもチビだし、かわいくないっすよぉ!あっ!私もそのドラッグスターかっこいいから、どんな人が乗ってるか、気になっていたんですよ」
早口で、恥ずかしそうに、彼女はしゃべった。
「本当ですかぁ?嬉しいです。マフラー変えてあるから、うるさいバイクなんですけどねー」
「確かに…めっちゃうるさいっすよね。授業中とかでも、音めっちゃ聞こえるし」
「まじっすかぁ?やばいかなぁ…」
なんか、楽しい。
思ったより、気さくな女の子だなぁ。
彼女は時計に目をやった。
「部活に遅刻だぁぁ!」
彼女が叫んだ。
「あ、大丈夫っすか?陸上部ですよね?」
「そうなんですよぉ!」
うちの大学の陸上部は、有名だ。
インカレ入賞者もいるくらいだ。
練習もめっちゃ厳しいらしい。
「じゃ、またぁ!ありがとうございましたぁ!」
彼女は慌ててバイクのエンジンをふかすと、走り去って行った。
かわいいし、面白い子だな…
そんなことを思った。
1週間経った。
今日は水曜日。
授業終わって、駐輪場に行くと、先週のあの子がいた。
授業の終わる時間が一緒らしい。
彼女はおっかなびっくり、と言った感じで、ヨタヨタとバイクを引っ張り出していた。
「今日は出せそうですねー」
声をかけてみた。
「今日は大丈夫そうですー!先週はありがとうございました、助かりましたよぉ!」
かわいい笑顔で、答えてくれた。