biker's love☆2人の風 another side-16
「俺は三塚桜のことが、好きです。
俺と付き合ってもらえませんか?」
「慶くん…」
桜さんの目には大粒の涙。
「って、泣かないでくださいよぉ」
鼻をグズグズさせながら、彼女は言った。
「だって、嬉しくて…」
「まったくー」
彼女の目から溢れる涙をぬぐってあげた。
「で、返事を聞かせてもらいたいんですけど?」
緊張した面持ちで、尋ねた。
「はい、よろしくお願いします!」
いつも以上の笑顔で、彼女は答えてくれた。
「それに…」
俺は意地悪を言ってみた。
「桜さんの横を俺が一緒に走らなきゃ、心配でいられませんから」
えっ?という顔をした後、怒った顔をして言った。
「どういうことだよっ!」
「だって、運転まじ危ないし、いつもヨタヨタしてるし…心配で見てられませんでしたよ」
「………っ!」
「だから、なおさら俺が一緒にいなきゃでしょ?」
ニヤリと彼女の方を見てみる。
「一緒にいてくれなきゃ、困るからね!」
怒った顔もかわいい。
「そしたら、帰りもヨタヨタ帰りましょうか」
「ヨタヨタ言うな!」
そう言って、彼女は俺に飛びついてきた。
愛おしく感じる。
そんな、俺たち2人の風は、今吹き始めたばかり…