biker's love☆2人の風 another side-14
「一緒行ってくれるのー?」
「もちろん!湖畔の方でも行きます?」
「行くっ!」
彼女は即決してくれた。
2人で店を出て、湖畔へバイクを走らせる。
相変わらず、ヨタヨタしてる彼女。
スピードは出し過ぎず、ゆったりのったり、湖畔へ向かった。
ゆるやかな風を受けながら走る。
2人で、風になった気分だった。
そして、湖畔に着いた。
バイクを停めて、湖畔に降り立つ。
「やっぱ、気持ちいいねー」
俺の少し前を歩いてた桜さんは、振り向いて言った。
きれいな髪が、風に揺れる。
変わらず、キラキラした笑顔。
「そうですね」
俺も笑顔になっていた。
「あ、私、デジカメ持ってるかも!」
桜さんはごそごそとカバンの中を探し、デジカメを出した。
「写真撮ろうよ!初ツーリング記念!」
2人のバイクを並べて、互いに写真を取り合った。
「一緒に撮りたいですね」
そう俺は言った。
ちょうど、通りかかった、年配の夫婦に写真をお願いした。
「じゃあ撮りますよー!はいチーズ!」
カシャ。
「「ありがとうございます」」
2人の挨拶が思わず重なる。
顔を見合わせる。
2人で笑った。
「2人でツーリングなんて素敵なカップルだね」
写真を撮ってくれた人が、そう言った。
「それがちが…」
「そうですかぁ?ありがとうございます。」
否定しようとした彼女の声を遮って、俺は言った。
夫婦は、にこやかに微笑んで、仲良さそうに寄り合って、去っていった。