biker's love☆2人の風 another side-12
「こんばんは」
俺は挨拶した。
「あ、慶くんじゃん!ここでバイトしてるんだね!」
ちょっとぎこちない笑顔。
そして、言う。
「そーいや、籠屋と慶くん同じ学科でタメやろ〜?知り合いだったりするのぉ?」
桜さんは聞いてきた。
「いや、知らないです」
ぶっきらぼうに答えてしまった。
桜さんのレジを済ませた後、籠屋ってヤツのレジをする。
俺は、籠屋を睨んでしまっていた。
感じ悪いと思われただろう。
だけど。
コイツ彼女いるんだろ?
なのになんでこんな時間に桜さんといるんだよ。
なんか、ムカムカした。
なんか、モヤモヤした。
俺にそんな資格なんてないのに…
そんなことがあって、2週間。
桜さんにはそれ以来会うことも、メールをすることもなかった。
和葉とは、うまくやってる。
そんなある日。
俺は、バイトに行くので、車に乗っていた。
途中にバイク屋があるのだけど。
あれ?
見覚えのある、黒いバイク。
間違いなく、桜さんのバイクだ。
桜さんに会いたい…
思い切ってメールを送った。
『今日バイク屋にバイクありましたねー』
だから何?って思われかねないメールだ。
そんなメールを送った。
♪♪♪ー
返事はすぐ来た。
『そうなんだぁ☆予約してたリジットサスが届いたから、預けてきたさぁ』
そういえば、車高下げたいって言ってたもんなぁ。
『そうなんだぁ!それは楽しみですね』
普通にメールできるだけで、嬉しい。
『楽しみなんだけど、どうやって取りに行くかが問題でさぁ。明日ヒマあったらバイク屋さんまで連れて行ってくれたりしないかなぁ…厚かましいお願いなんだけど…』
桜さんからの思いもよらないお願い。