biker's love☆2人の風-3
「部活に遅刻だぁぁ!」
「あ、大丈夫っすか?陸上部ですよね?」
「そうなんですよぉ!」
我が校の陸上部は、先生が厳しいことで有名。
うちの大学一厳しい部活。
そりゃ、インカレ入賞者もいるくらいだからね。
遅刻はまずい。
「じゃ、またぁ!ありがとうございましたぁ!」
あたしは慌ててバイクのエンジンをふかすと、練習場に向かった。
部活が一息ついて、ふと思った。
あれ?あのコ、なんで私が陸上部だって、わかったんだろうなぁ…??
そのまま、そんなことは忘れて、1週間経った。
今日は水曜日。
今日はバイク大丈夫かなぁ…
おっ!今日は出せそうだな。
と、言っても、おっかなびっくり、と言った感じで、ヨタヨタとバイクを引っ張り出していた。
「今日は出せそうですねー」
後ろから、いきなり声がして、驚いた。
先週の、あの男のコだった。
「今日は大丈夫そうですー!先週はありがとうございました、助かりましたよぉ!」
あたしは慌てて答えた。
「それは何よりです。ま、なんかヨタヨタしてたから、危なげですけどね。今から部活ですか?」
「そうですよー、そういえば、なんで陸上部だってわかったんですか??」
ほんと、なんでだろ。
「ジャージが陸上部っぽいし、グランド走ってるとこ、見たことありますから!俺、野球部なんですよ!」
野球部かぁー、そういわれれば、見たことあるかもなぁ…
「そうなんですかぁ!」
「ま、もう引退なんですけどね」
「そうなんだぁ」
なんて、彼と、駐輪場であう度に、たわいない話をするようになった。
何度か会って、話をするようになったある日。
「あ、こんにちは」
いつものように話しかけてきてくれた、白のドラッグスターの男のコ。
「最近、知り合いのバイク乗るヤツらと、ツーリングのチーム作ったんですけど、もしよかったら、今度飲み会するんで来ませんか?」
それ、楽しそう…
「めっちゃ楽しそうですねー!行きたいです!」
ツーリングとか、バイク仲間とか、いいなぁ…。
「でしたら、また決まったら連絡しますよ」
「はい!お願いします」
その時。