biker's love☆2人の風-13
「籠屋!一緒帰ろうぜー」
私は、籠屋を誘って、一緒に帰ることにした。
籠屋は、今でも好きだし、めっちゃ大切な人。
こうやって、バイト帰りはよく一緒に帰ったりしている。
でも、もう、それ以上は望んだりしてない。
「桜さん、ちょっとコンビニ寄りましょうよー」
籠屋がそう言った。
確かにお腹すいたなぁ。
近くにあった、コンビニに行く。
その時、気づいた。
宮城ナンバーの黒いcivicがあること。
慶くんのバイト先であること。
構うもんか!
籠屋の横で、意を決して、中に入った。
なるべく店員さんの方を見ないようにして。
籠屋と仲良いのをアピールしつつ。
慶くんはレジにいた。
「こんばんは」
慶くんは挨拶してくれた。
「あ、慶くんじゃん!ここでバイトしてるんだね!」
知らなかったふりをしてみる。
そして、言う。
「そーいや、籠屋と慶くん同じ学科でタメやろ〜?知り合いだったりするのぉ?」
今の自分、最悪だ。
「いや、知らないです」
慶くんは、そう言った。
そんなこと、知ってるくせに。
そんな自分に辟易する。
慶くんは、ちょっと不機嫌そうだ。
そりゃ、そうだよね。
心で、謝る。
ごめんなさい。
本当に、ごめん。
そんなことがあって、2週間。
私は、バイクを改造しようと思って、パーツの取り寄せを、お店に頼んでいた。
パーツが来たと言うので、お店にバイクを預けた。
お店はちょっと遠いので、預ける時はバイク屋さんに持ちに来てもらった。
なので、どうやって取りに行くかが問題だった。
誰かに、連れて行ってもらうしかないなぁ…