biker's love☆2人の風-12
「そっかー!よかったじゃぁん!大切にしなよねー」
「桜さん…」
「ほら、私寂しがり屋だからさぁ、自分の恋愛上手くいってなくて、ちょっと、慶くんの優しさに甘えたくなっちゃっただけー。今、そんな悲しくなかったもん!」
そういうことに、して。
「幸せに、なれよ」
私の、強がり。
「はい」
気づいたら、もう、私のアパートのそば。
「ここでいーよ。今日はありがとー!またみんなでツーリング企画しようねー!」
「わかりました。すみません…」
「何謝ってんのさぁ、じゃ、またね」
助手席のドアを開けて、私は車を降りた。
civicを見送った。
その場で、私は、立ち尽くした。
気づいたら、頬を伝うものがあった。
泣いていた。
やっぱ、気になっていたんだよ?
次から次へと、涙は溢れ出て。
しばらく、動けなかった。
なんで、なんかな。
また、彼女のとこに行っちゃう人だったよ。
バカバカバカバカバカバカっ。
でも、大切な人だから。
キミの幸せを願いたい。
でも、そんなキレイゴト言いきれるほど、強くもない。
こうやって、泣くしかできないのだ。
どんなに、男っぽいって言われたって。
私だって、一応、女のコなんだよ?
泣き明かして、友達にグチって。
なんとか、学校に行く。
私の心を映したような大雪。
いつもは嫌な雪。
でも、慶くんのバイクを見なくていいのが、逆に救いになっている気がする。
そんな彼に、私はおそらく、嫌がらせになりそうなことをしてしまうこととなる…。
慶くんに会った3日後。
バイトがあって、後輩の籠屋と一緒になった。
2年間、ずっと、好きだった、人。