想い出-1
今日は天気が良い
こんな小春日和の日はどこか出掛けたくなる
無意識のうちに向かってた先は私にとってはあまりにも思い出深い場所でした
ケイタイとサイフだけ持って自転車で走り出す
最寄り駅に着いて その近くにある公園
私は忘れられない この場所も
あの夜、友達に会いに行くって言って、家を抜け出してこの駅で仕事帰りのあなたと待ち合わせたことも
スーツ姿のあなたに目が奪われた
ねぇ…ここでどんな話をして笑い合ったのかな…?もぅ内容は思い出せないけれど、あの時、確かに2人、傍にいたんだね
それがどれだけの幸せだったかなんて、もうわからないよ
電車に乗って30分
あなたが住んでた町の駅に着く
なんだか懐かしくて涙が出そうになって おもわず目を覆った
この階段を降りれば、またそこにはあなたが待っててくれる気がして
そこから動けなくて
いっそ帰ってしまおうかって
気付けばホームには私、1人だけになって
焦って階段をかけおりた
一瞬だけあなたの声が聞こえた気がした
「行こっか。」
そう言って手を繋ぐ
ただそれだけで幸せだったのに
ってそんな事考えても仕方ないのにね…
いつも行ってたコンビニへ行って
いつも通ってた裏道を1人で歩く
そうやってひとつづつ思い出をたどって
最後にたどり着いた場所は
あなたが住んでたマンション
この町はあたしにイタズラなほど変わらない
このマンションも
何階だったっけ… もう忘れちゃったよ…
だめだね…
こんどまたここにくるのは何年後かな?
もうここには来ない
悲しくなるから
悔しくてどうしようもなくなるから
だからあたしはもう前に進むよ…
あなたも見守ってくれるよね…?