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「史乃」
【父娘相姦 官能小説】

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「史乃」-2

ー第1章ー

ひとつ屋根の下



「さあ…上がりなさい。今日からここが…君の家になるのだから」

寿明は万感の思いに言葉を詰まらせながら、史乃を自宅に招き入れた。綾乃の告別式から2ヶ月が過ぎていた。

告別式の後、彼は綾乃の実家におもむき、娘の前で15年間の非礼を詫びた。綾乃の両親は、離婚の経緯を知っているためか何も言わなかった。

しかし、

「貴方が…作家の真田寿明が私の父親と言う事は、生前、母から聞いていました。何故一緒になり、離婚したかも……」

史乃は聡明な目で真っ直ぐに寿明を見つめて言った。まるで母親を無くした辛さを感じさせまいとするように。そんな仕草が、なおさら寿明の心に突き刺さる。

寿明は言葉を選ぶように語った。

「君の母親…綾乃とはお互いに理解し合って別れた。その時、彼女と交した約束は…君が成人するまでは会わないという事だった。だが、こんなカタチで会う事になろうとは……」

そこまで言うと、寿明はこみ上げるモノを抑える事が出来ず、ハンカチを取り出して目頭を押さえる。

「…すまない……つい……」

何とか気持ちを鎮めてから、言葉を続ける。

「…そこでと言っては何だが……これからの君についてなんだか、私に面倒をみさせてくれないだろうか?……出来れば一緒に暮らしたい。もし、それがダメなら…資金的な援助だけでもさせてくれないか?」

寿明は笑顔を作り、史乃の反応を待つ。祖父母達も黙したまま彼女を見つめている。

しばしの沈黙。だが、今の寿明にとっては随分長く感じられる。

「…母の…」

史乃は伏目がちに口を開いた。

「…母の法要が済むまで待ってもらえますか?」

そう言って視線を合わせる史乃に、寿明の目は綾乃がダブって見えた。

「…あ、ああ…もちろんだよ。これは君にとっても大事な問題だから、いくらでも考えてくれ」

その後、綾乃の四十九日の法要に参列した寿明に史乃が答えた。


〈一緒に暮らしたい〉と。
寿明は、さっそく自宅改装に取り掛かった。資料置場にしていた部屋を史乃の部屋に空け、キッチンやバスルームも新しくした。

いよいよという数日前からは仕事も手につかず、眠れない夜を過ごした。


そして、今日の日を迎えた。



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