「史乃」-14
脱衣所に置いたバスタオルで水気を拭うと、裸のまま自室に向かう。
火照りがくすぶった身体は、昨夜のショッキングな出来事を思い出した。
(…そういえば……)
となりの父親の部屋。
史乃はドアーを開いた。薄暗く、誰も居ない。だが、存在を知らしめるように、寿明の匂いがする。
照明を付けて中に入る。
ふと見にしたソファに置かれた1冊の本。史乃はそこに腰掛け、本を手に取る。
(城山寿一、「ロトと娘達」?)
彼女は裸体をソファに預けると、その本を読み始めた。
(ロトとその娘達は、一晩中走り続けた。ようやく隣街の入口の洞窟にたどり着くと、後を振り返った。
ソドムの街は赤く染まり、黒煙を吹き上げていた……)
史乃の目はページを追っていく。
(ロトは酔い潰れると、いつしか眠ってしまった。2人の娘は、服を脱ぎ捨てると父の服も脱がせ始めた。
娘達は露になったロトのモノに唾液を絡め、舌を這わせる。
たちまちロトのモノは反応し、唾液まみれの剛直となってぬらぬらと光っていた)
(…そんな…親子で……)
読み進めるうちに、先ほどの余韻が甦る史乃。その指は秘部に伸びる。人差し指と中指が、固く閉じたスリットを撫でていく。
(…ああ…いやぁ……)
指の動きが徐々に速くなる。鼓動が強く、速くなり、下腹部の芯が熱を帯ていく。
眉根を寄せ、吐息を漏らす史乃。頬を上気させて、うっすらと滲んだ汗で髪の毛は肌に貼りつく。
「…うん…う…」
指にはヌルヌルの液が絡み、スリットはいつしか開いて、花弁が顔を覗かせる。
「…あっ!…やぁ…ああ…」
史乃は頭の中では嫌悪しながらも、目も眩むような初めての感覚に身を震わせた。
史乃は肉の悦びを覚えてしまった。