「史乃」-11
「…はぁ、はぁ…」
握った手を上下させ、激しくカリをしごく寿明。久しぶりの刺激のためか、先端にはすでに先汁が溢れていた。
「…はぁ…ああ…史乃…史乃…」
寿明の脳裏には、史乃の身体が支配していた。白い肌、華奢な体躯。小ぶりな乳房、薄い恥毛、くびれたウエスト、細いうなじ……
「くっ!…んっ!…ぐっ!」
潜もった声の寿明。それに反比例して出された精液は、熱くたぎって床に飛び散った。
(…マスかくなんて…何十年ぶりだ…)
寿明は、枕元のティッシュを数枚取ると、自ら放出させた精液を拭ってゴミ箱に捨て、パジャマを直すと明かりを消した。
だが、その模様をドアーの外からうかがうモノがいた。
史乃だった。
風呂から上がり、喉が渇いたので冷蔵庫の飲み物を取りに行く際、聴こえてしまった。
最初は、具合が悪いのかとドアーに近づいたが、その声から一種異様な気配を感じた史乃は、ドアー越しに聴いてしまったのだ。
そっと自分の部屋と戻る史乃。もう、喉の渇きは忘れていた。
(…お父さんが…あんな……)
部屋に入り、ベッドに寝そべると右手を額に乗せる。身体が小刻みに震え、瞳には涙が溢れてた。