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【言の葉】
【悲恋 恋愛小説】

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【言の葉】-1

いつも一緒の幼なじみ
君は秀才
私は無知

君は首席
私は留年

でも君は馬鹿
私は阿呆

墓穴を掘ったね秀才くん
頑張り過ぎて、疲れたんでしょう
休んでも良いよって
私が言ったって
君はいつもの愛想笑いで
「休める訳ないだろう。君とは背負ってる期待が違うんだ」
だって

君は秀才なんかじゃないでしょう
死ぬ気で頑張ってたのなんか
知ってるよ
いつも見てたからね
馬鹿にしながら
『クスリ』に逃げて
ボロボロに 為って
愛想笑い
それも
知ってた
知ってたのに


ほんとはね
私のが頭良かったんだよ
是、ずっと言いたかった
それより言いたいこともあった
いつでも言えるから今は言わないけどね


――でも……

なのに―…


ねぇ
君は私に言わせてはくれなかったね

白い病室のベッドの上
抱き締めて
キスして

『馬鹿な君が好きだったよ』
って
最期の言葉

狡い

かっこつけちゃって

狡い

自分だけ、狡い


だから
私のが頭良かったんだってば
もっと人に頼れってば
休めってば
遊べってば
ほんと馬鹿
ばか
ばか
ばか
ばーか


君は馬鹿だって
知ってたのに
何もしない私は只の阿呆


「―…すきだよ、ばぁか」


君の今居る場所で呟く
もう届くことはない言葉
重い 重たい
あの日の言の葉


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