えっちな彼-13
「大丈夫…?」
「…理沙に移された」
「えっ!そ…それは、その…」
「理沙がエッチさせてくれたらすぐ治るんだけど」
「ええっ?!」
熱出てるのに?!信じられない!
驚いて、思わず目を丸くしたわたしに、遼くんは顔をクシャクシャにして笑った。
「ばーか、冗談だっつの」
「えっ?あ…」
「見舞いと、それからおかゆ、ありがとな」
「遼くん…」
遼くんの言葉に、胸がキュンとしてしまう。
でもそんな私のときめきは、ほんの一瞬だったみたい。
嬉しくなって、持ってきたおかゆを早速温める準備をしていると、後ろで遼くんがボソッと呟く。
「ま、どっちにしろそれ食ったら3Pはヤるつもりだけど」
「さ…?!熱あるのに?!」
「熱あるからこそだろ。当たり前じゃん」
そう言って、遼くんは余裕ありげに笑った。
…信じられない。
やっぱり…えっちな彼。
恋愛経験のないわたしは、毎回驚かされる。
でも、好きだから許してしまう…。自分自身、都合のイイ彼女と分かっていても拒めない。
そうしていつか、遼くんがわたしの身体だけじゃなくて、心を求めてくれる日が来てくれたら…。
「ってことで理沙、今日は俺にフェラして」
「?フェ、ラ…?」
「心配しなくても教えてやるよ。実践で、ね」
当分、緊張の毎日は無くなりそうにないけれど。
白川理沙。19歳。
その日を夢みて、頑張ります。