「姉妹隷嬢…京子の場合」-1
重厚な絨毯の中央に立つ女…営業部課長「木下 京子(きのした きょうこ)」は、こめかみから頬に冷や汗を伝わせながら、奥歯に力を入れて噛み締め、デスクの向こう側の…少し小太りした、緑色のスーツを着た男をじっと睨んでいた。
一方、茶色の葉巻をくわえ、煙を吹かせながら、小太りの男…T・カンパニー社長「富孝 義男(とみたか よしお)」は、脂の乗ったテカりのある顔をにんまりと弛ませ、また京子の後ろで匂い堪能する様に密着しながら「日下 尚志(くさか 尚志)」は頭の先からつま先を眺め、これからどの様にあの体を弄ぼうかと…考えを巡らせていた。
ある大企業…営業部の一つの課を任される京子は容姿は端麗で、スタイルも良い。が、見かけの印象通り、冷徹かつ厳しい。6人いる部下も、彼女には頭が上がらず、度々飛ぶ罵声にいつも苦汁を飲まされていた。仕事は出来るが、時折見せる人を人と思わない非情。部下達の間に不平不満が溜まるのは当然であった。
「一度でいいから痛い目を…。」
皆が内心この様な思いを巡らせるのであった。
部下達の思いとは裏腹に、彼女はますます能率的に仕事をこなし、ますます自分の存在を崇高にし、他人を卑下する様になっていた。上司ですらそう思わない態度。スタンドプレー。仕事の出来とは裏腹に、次第に彼女は社内で孤立していった。
そんな折、彼女の部下の一人…尚志は社長の急な用事で呼ばれていた。至急実行して欲しい事があるという。見た目は端正で、社内では女子社員に人気であったが仕事も出来ず、やる気の見られない彼は、普段から京子に相手にもされず特に忌み嫌われていると聞き、義男は利害関係の一致する彼に命令したのであった。当然、尚志からしても絶好とない提案で、二つ返事で承諾する。これから起こる事を妄想しながら、どこか裏のある笑みを浮かべながら、パンツの下の肉棒を固く膨らませていた。
さっそく、尚志は実行に移す。まず相手企業に電話、京子の行動のチェックに、普段の業務とは比にならない程の手際だった。これから起こりうる事に、自然と口元を緩ませながら後は普段通り、京子の仕事ぶりを眺めながら、機を待つのであった。
尚志と社長が密会をしてから丁度一週間。突然、大手取引先のS・カンパニーから電話が来る。
「御社との取引を白紙にして頂きたい。」
との事。社長直々の電話。京子が苦労の末、ようやく契約に結びつけた大口なだけに、必死に電話越しに弁明する。取引先の意向は固いようだが、何とか…S・カンパニーに来社し、再交渉する事で話しがつき、ほっと胸を撫で下ろす。
脇で…尚志がニヤけ顔で視線を遣ってるとも知らず。
S・カンパニーとの再交渉は上手く行った様だが、その後の京子は少し態度が変わっていた。どことなく弱々しく、時おり虚ろな視線をする姿に、尚志は内心、諸手を上げながら次の段階へ進む算段を巡らせていた。