ヒトナツC-5
「そういや、何でここにいたんだ?」
「それ、聞く?」
「だめなのかよ」
二人で笑いあった。
桜はもういつもの桜だ。
「はあ?」
「だから、健吾さんのおうちに向かってたんです」
「なんだそりゃ」
「そしたら…その渚さんもいるかなって。まさか本当に一緒に暮らしているとは思いませんでしたけど」
「……」
うわー、桜さん。
あんた意外と言うな……
「まあ健吾さんがなにもないって言うなら信じますけど」
「……」
まあ渚が現れた日にちょっとあったけど、とてもじゃないが言えん。
「じゃあ行きましょうか」
「ん、どこに?」
「決まってるじゃないですか。健吾さんのおうちですよ」
「はは……」
桜、こえーよ。