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fantasy ability
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reality ability‐第6話‐集められた“過去(しんじつ)”‐-8

『‥はい!』

和昂と真里祢の言葉は見事に合う。流石は相思相愛の夫婦だ。お互いの考えはほぼ完璧に解るんだろう。

「ありがとうな。‥‥この世界で“神”は“人間”よりも醜い者なのかもしれない。」

司義莉はため息を吐くように言う。すると、和昂が喋る。

「違いますよ、司義莉さん。“人間”も“神”も‥生命を持つ者は皆生きたいんですよ。‥‥希望(ひかり)を求めて‥‥」

和昂は慰めるように言っているが何処か悲しげだった。梛と真里祢は目を背けていた。何かあったようだ。

「‥‥そうか。‥‥さて、行くか。ここに居ては狙われる。」

司義莉は気にしてない素振りだが、和昂は解っていた。

「‥‥はい、行きましょう。」
「空間干渉転移召喚魔法陣展開。大気よ。我々に移動を。」

魔法陣が浮かび上がったと同時に四人は一瞬で消えた。





‐一方、天界‐

集神城の閲覧の間。異様な光景だった。敵対の者たちが並んで立っているなんて。

「‥‥なんで、ここに居るの?貴方たちが。」

織音が第一声をあげた。かなりの怒りであろう。表情で一目瞭然だった。

「ふん!俺はそいつに“真実”を教えてもらうために来たんだ。」

誑笥が荒々しく言った。そう、ここに居るのは皇希ら全員とカオスの四天王だった。それに、螺樹と司樹菜。そして、他の上級神、下級神に天使も少し居た。

「‥‥織音。これも仕組まれた事だ。今は軽く“真実”を言う。」

皇希が威圧感を漂わせながら言った。二人は無言になった。

「‥‥まずは、この“記憶の欠片”だがあんまり意味が無い。ただの俺の“力”を解放する発火装置みたいな物だ。」
『!!!』
「‥‥‥」
「‥‥どういう事よ!?皇!」

織音が怒りの声で言った。皇希の足元には首飾り、腕輪、指輪、耳飾りがあった。

「‥‥記憶はもうある。“真実”を受け入れた時から。だが、“力”は半覚醒状態だ。それは“人間”の身体だからだ。」

皇希は淡々と言った。

「だから、俺は一回死ぬ。“力”を解放するために。だが、その身体は“神”じゃない。これは凰輝さんも知っている。」

一同は凰輝を見た。

「‥‥知っている。が、彼が望むのなら言うが、俺からは絶対に言わないぜ?」

凰輝は真剣な口調だった。揺るぎない決意の瞳で一同を見る。一同は、そう‥織音さえも無言で悔しそうになる。

「‥‥次は、デスケイブだが、一言で言うと“幻想空間”。“幻想の力”で創った幻だ。」

皇希はまたしても淡々と言った。


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