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いのち短し、××せよ少女!
【学園物 官能小説】

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いのち短し、××せよ少女!-1

あたしってほんと、極度の快楽主義、欲望に忠実な女。
食べること、眠ること、×××――気持ちいいこと大好きなんです。
でもね、それって悪いことなのかな?
別に、いいじゃない!
あたしはそう思うの。
少女(おとめ)でいられる時間なんて長くはないんだから、今を思いっきり楽しまなきゃってね。


いのち短し、××せよ少女!



【 西岡義秋 編 】
四ツ木学園に入学して、二度目の春が過ぎた。
新緑の眩しい五月。
眠気を誘う陽気に、これまた眠気を誘う古文の授業。
そんなのに、あたし東春菜(あずまはるな)が耐えられるわけもなく――
「東!」
「ふぁ? は、はいッ!?」
丸めた教科書で、古文教師の寒川があたしの頭を叩いた。
既に夢の世界へ足を踏み入れていたあたしは、寒川の声で一気に現実に引き戻される。
慌てて立ち上がり、寝ぼけ眼で辺りを見回し、他の生徒達の笑いをかうのはもうお約束だ。
「二年になってから、更に居眠りの回数が増えたな」
怒ったような声だけどその額に青筋は浮かんでいないのは、多分怒っても無駄だって諦めてるんだろう。
呆れたような教師の声に、へらへらした笑いであたしは答える。
「すみませーん……此処最近のあったかさっていったら、眠くて仕方なくって」
「また俺の授業で居眠りしたら、今度は生活指導の北村先生に報告するからな」
溜息混じりの声で言って踵を翻す寒川。
あたしはほっと息をつく。
大きな欠伸を噛み殺しながら教科書を開いていると、あたしの背を誰かがちょんと突いた。
誰かっていっても、あたしの後ろの席にいるのは――
「南野」
「ばーか。北村なんかにチクられたら、雷どころじゃ済まねーぞ」
「大丈夫、だいじょーぶ」
あたしを心配する、南野夏樹(みなみのなつき)にそう言って笑顔を向ける。
「寝てたら起こしてね、南野君♪」
「……仕方ねーな」
彼もまた呆れたように頷いて――
「貸しだかんな」
それから、にっと口の端を上げてそう言った。
お願いね、とあたしは一言言って前を向く。
(貸し、ね)
ぼそりとそう呟くと、一所懸命板書する我が級友たちの姿を眺める。
黒板には理解不能な古文単語がずらりと書かれていて、あたしはそれを一瞥してから、机の上に開いた教科書に目を落とす。
「花の色は、うつりにけりな……」
(あ、マズい)
細かな文字を目で追っていくうち、再び眠気があたしを襲う。
授業終わりまであと二十分、耐えられるかどうか――そんなことを考えながら、しかしあたしは着実に夢の世界へ旅立とうとしていた。


「悪いね、東。先生、付き添いで六時過ぎても戻れないかもしれないから……」
「平気です、先生。行ってきて下さい」
五限も後半戦に差しかかったそんな時、保健室のベッドで寝ていたあたしを叩き起こしたのは、体育の授業の骨折騒ぎ。
どうやら一年生がサッカーで足をやっちゃったらしい。
本当に折れてるかどうかは分からないみたいだけど、救急車が来たりして、大変そうだ。
グラウンドは騒然、授業中だっていうのに野次馬の姿もちらほら見える。
おかげであたしの目はすっかり覚めてしまった。
「気分がよくなったら帰りなさい」
優しい保健の先生は心配そうにあたしを見やってから、保健室を出て行った。
ごめんね、先生。あたしのは単なる仮病です。
心の中でちろりと舌を出し、再びベッドに横になってシーツを被る。


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