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永遠にキミを夢見て
【悲恋 恋愛小説】

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永遠にキミを夢見て〜真実〜-1



「今日も仕事か…。」
僕は彼女がこの世を去ってからというもの、何事にも気力がわかなかった。
携帯のメールを見るのもダルい…。こんな小さい字なんか読んでたら気が狂ってしまいそうだ。もっとも、彼女からのメールは大違いだった。画面に穴があくほど何度も読み直した。自然と笑みもこぼれてくる。

いつまでも思い出に浸ってちゃいけないよな。よし、今日も頑張るか。梨乃…見守っててくれよな。
着替えようとベッドを立ったその時だった。

ピロリロリピロリロリ
突然、枕元の携帯が鳴った。彼女のお気に入りの曲が流れ、少し驚いたように手に取った。
おいおい、誰だよ。こんな朝早くからメールしてくる奴は…。

「なっ…!?」
思わず声が出た。
朝早くに僕にメールなんかを送信してきやがった奴とはなんと、彼女の親友だった女性からだ。その子の名前は千穂。
久しぶりだなぁ。どうしたんだろぅ…?僕はメールを開いてもう一言、
「…はぁ?!」
あまりに唐突な内容だった。

『久しぶりだね。いきなりで悪いんだけど、ちょっと梨乃のことで話しておきたいことがあるの。今日の正午に○○中央公園で待ってるから。』

な、何を今更…。もう2年も経ってるんだぞ!?でも…。…。−−○○中央公園か…。会社の昼休みにでも…行ってみるかな。
正直少し怖かった。いや、だいぶ怖い。何を聞かされるのか、果たしてそれはいいことなのか。悪いことなのか…。
複雑な気持ちで会社に向かうため、車に乗り込んだ。助手席には…いるはずないか。梨乃の横顔が思い出される。はぁ、梨乃。キミはどうして…。気がつけば会社に着いていた。自分のデスクに腰をかける。複雑な気持ちに変わりはなかった。
どのくらい経っただろう。正午…。午前がこんなに長く感じたことは今までになかった。仕事が全く手がつかない。
(話しって何だよ。梨乃のことで俺が知らないことはないはずだけどな…。あ〜もう!昼休みまであと30分。それから正午まではまだ時間があるな。公園まではここからなら5、6分で行けるし。多分千穂のやつ、俺に気を使ってあの公園にしたんだろぅな。千穂の家からは結構な距離だぞ。)
そんなことを考えているうちに時計に目をやればもう昼休み。僕は売店でパンを買い、少しずつ食べながら公園に向かった。
意外と早く着いてしまったな…。あそこのベンチにでも座ってよう。
目の前にある大きな噴水。見覚えがある。あぁ、そうだ。よく梨乃とちょうどこのベンチに座って噴水を眺めてたっけ。


「ねぇ、浩人」
「ん?」
「噴水ってどうして水がなくならないの?」
「はぁ?バカだなぁ。噴き出した水をまた繰り返し使ってるんじゃないのか?そうでもしない限り噴き出し続けるなんてあり得ないだろ」
「ふぅ〜ん。あたし達みたいだね」
「…どこが?」
「毎日同じように浩人と一緒にいれるってことかな」
「はい?よくわかんないけど…?」
「ま…まぁいいじゃない!そんな感じの意味よ!もうっ!」
「ハハハっ!変なの」


そんな会話もあったな。もう一度キミと話せたらどれだけ幸せだろう。
はぁ…って、ん?正午過ぎてるじゃないか!?千穂はどこだろう…。
僕はベンチから立ち上がり辺りを見回した。公園の真ん中にある花壇の向こう側、僕のいるベンチのちょうど反対側のベンチに見覚えのある女性が僕に背中を向けて座っている。
(ったく、そっちも少しは僕を探せよな…。)
僕はゆっくり歩いて彼女に近づいて行った。心に覚悟を決めながら。


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