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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬 08話〜『溢るる涙』〜-2

「あっ、こいつバスケ雑誌の特集で載ってたヤツだ!3Pが得意の期待の新星とか騒がれてたよ!」

「なんだぁ?ホントにヒーロー様じゃねぇか」

「でもよ、今年の県大会決勝で、最後に3P外して負けたんだよな確か…お前のせいで」

「はっ!どーせしょぼいシュートだったんだろ?おい、射ってみせろよ」

言われた瞬間…

俺の中で何かがキレた。

バキツ!


俺のことをベラベラ喋るヤツを思いきり殴りつける。


「な、なんだよ…いきなりキレやがって!部活やってるのに手ぇ出したらまずいんじゃねーのか?」

脅えながら言う男たち。

俺は自嘲気味に笑う…。

「はは…関係ないね…俺にはもう…」


1分も経たないうちに男4人は地べたに倒れる。

(こんなやつらに…)

こんなやつらに俺の何がわかる…

女は俺を見るとどっかへ走り去ってしまった。

(別にお礼が欲しかったわけじゃないけど…失礼なヤツだな)

恭介もこの場を後にした。




――少し後ろから足音が聞こえた

「ちょっと!待って!」

「…なんか用か?」

「無愛想な人だな〜。ちょっと止まって!さっ、手ぇだして」

「……」

「あ〜じれったい!」

そう言って無理やり俺の手を掴むと濡れたハンカチで押さえ付けてきた。

「あんな殴りつけてたら拳が痛いでしょ?ぅゎぁ血が…しみる?」

「…意外と優しんだな。いきなり消えたから…もっと失礼なやつかと思った」


「なっ!ハンカチ濡らしに行っただけだろ。一応助けてもらったしね……って誤解しないでよ?あれから私の反撃が始まるー…ってところで、あんたが手を出してきたんだから」

バレバレの嘘をつくやつだな。

変なヤツ…。


でも…俺のこと知らないってのは気が楽だ…。


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