死の抗い2〜偽られた伝説〜-8
「ぐ…、私達を倒したぐらいでいい気にならない方がいいですよ。貴方達を倒すことなんかあの御方にとっては呼吸するに容易(たやす)いことなんですか…ら…。」
人狼の死骸は灰となって、風に舞った。
「皆よくやってくれた。
俺達が戦うのはこういう奴らだ。敵は本気で俺達を殺そうとして襲ってくる。
躊躇(ちゅうちょ)するな。迷わず向かえうつんだ。」
「「おうっ(了解)」」
しかし早紀の返事はなく、見ると泣いていた。
「ごめん…なさい…。私…怖くて、何にもできなかった…。指輪からは唱えるべき呪文は聞こえてたのに…。」
「早紀、気にするなよ、俺達は無事だし次頑張ればいいだろう?」
「最初は誰でもしょうがない。」
「徐々に慣れてくるはずだ。今は涙を拭いて前を向け。」
「みんな、ありがとう…。」
早紀は目を手で擦り、赤くはなっていたがいつもの笑顔を見せた。
「大丈夫そうだな、駅までもう少しだ。いくぞ!!」
「「「はいっ!!!」」」
傾いてきた夕日を背に4人は駅へと再び走り始めた。
〜続く〜