秋と春か夏か冬 07話〜『ユメノオワリ』〜-1
大会から3日後。
今までのお礼も兼ねて、理緒に何か奢ると言ったら
「3人で大会の打ち上げしましょう。僕の部屋で」
と言われた。すると鈴音が口を挟む。
「あんたが金おいてけば済む話なんだけど…生憎あんたが主役だからね。今回だけは勘弁してあげるわ。今度理緒くんをこき使ったら…殺すから」
…毒舌なのは中学から健在である。
だが今回は俺が悪いので言い返さない。
「わかったよ。俺が何か食糧を買って行くから…二人は先に行っててくれ」
「あら、わかってるじゃない。やっと自分の立場をわきまえたかしら」
「主役の恭介に行かせるのは気がひけますけど…お願いします」
そして俺は買い出しに向かう。
―買い出し中―
(打ち上げなら部活内でもやったんだけどな…)
そう思い苦笑する。
「それにしても買いすぎだろ…」
二人に頼まれた量の多さに思わず口に出して呟く。
恭介は紙袋を両手で持ちながら、信号が青になったのを確認して渡る。
その時……
キキーッ
赤信号を無視して走るバイク。
それを避けようとした軽トラックがこっちへ突っ込んできた…。
(やばいッ!!)
そう思い避けようとしたが、両手が塞がっているため反応が鈍くなる…。
恭介は直撃は避けようと半身になり飛びのく…が間に合わない…。
(くそ!)
ガシャーーン
カラカラカラ…
…あれからどうなっただろう?俺は…ん?…なにか聞こえる…。