秋と春か夏か冬 07話〜『ユメノオワリ』〜-2
『おい!男の子が跳ねられたぞ!救急車呼べ』
跳ねられた?
…誰が?
…いや……俺…か
薄れてく意識のなか…ザワザワとする周りの声が……やけにうるさく聞こえた。
ん…。
「あっ、気が付いた恭介??」
「良かった…」
…ここは?
ぼやける視界がだんだんとハッキリしてくる。
…理緒と鈴音?
なんで心配そうな顔してるんだ?
あぁ、事故ったのか俺…
左腕の感覚がない…利腕なのに…。
(まぁ当然か…モロに当たったもんな)
以外と冷静な自分…。
「……おはよう理緒、鈴音」
「余裕…ありますね」
「…心配したでしょ」
ぎこちなく笑う理緒と泣いている鈴音。
「いまナースコールで呼びましたから少し待ってください」
「それにしても…鈴音が泣いてるのを見るのは奇跡だな……よほど危なかったのか俺?」
「…あなたが健康ならブッ飛ばしてるところよ…3日間眠ったまんまだったんだから…」
3日間も?
コンコン
ドアをノックする音が聞こえる。
「…やぁ。良かった目覚めて。気分はどうだい秋津くん」
医者が話しかけてくる。
「えぇ、別に大丈夫っす」
「そう…良かった。もう少し眠り続けてると危なかったんだよ?あとでもう一度精密検査するけど…とりあえず安心だ」
「そうすか…ところで左腕の感覚ないんすけど骨折か何かですか?」
俺が聞くと部屋の空気が変わる
…なんだ?