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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬 06話〜『先輩と暗闇と約束と』〜-4

一方……

「あのアホんだら…女心ってもんがまるでわかっとらん!それにウチの胸だってそれなりには……ないけど……」

そう言って自分の胸を触り、確かめる和美。

「…ハァ…せっかく良いチャンスやったのに…」

こっちは別の意味で溜め息をついていた。



そして大会は始まり…恭介たちの中学は、一回戦に少し苦戦した以外は順調に勝ち進んでいった。
(苦戦した原因は前日、恭介に何かあったらしい…というか和美のせい)

ともあれ決勝まで勝ち残り、次勝てば全国に行けるとこまで来ていた。


「いよいよ決勝や恭介」

「あっ、和美先輩」

(大会始まって和美先輩の機嫌が悪かったけど治って良かった…)

言うまでもなく原因は恭介なのだが…。

「ここまで来れたのも恭介のおかげやな♪」

「そんな…それより和美先輩…あのとき何か言いかけてませんでした?なんか気になってて…」

あのときとはもちろん大会前日のこと。

「あぁ、あの時か…思い出したらムカムカしてきたわ…」

不機嫌になる先輩。

「まぁええ。その続きが気になるんやったら…決勝で勝つんや…そしたら教えたる♪」

「わかりました。約束ですよ♪」

「あぁ、約束や♪」



しかしこの約束が守られることはなかった…。


決勝戦…………残り数秒…2点差で負けている。

(みんな体力が残ってない。延長になったら…負ける)

もともと実力差がある格上の相手…恭介は3Pを決めて逆転するしかないと判断した。

マークが厳しいなか…それでもDFを抜かしフリーで3Pを射つ。

ボールは弧を描いてリングに向かってく…。

しかし…


ガタッ

ボールは無情にも……リングを通ることはなかった…。

ピピーッ


――そして試合終了のブザーが鳴った――


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