秋と春か夏か冬 06話〜『先輩と暗闇と約束と』〜-3
「恭介…明日大会やのに…こんなん言うのも悪いかもしれんが…ウチな……おま」
フッ
突然真っ暗になる体育館
停電か?
「な…人がせっかく大事なこと言おうとしてたってのに!!!」
暗くてよく見えないが急に暴れだす和美先輩。
「きゃっ」
目の前で先輩がつまずいて転びそうになる。
「危ない!!!」
ズドーン!
俺はとっさに和美先輩を抱えて倒れこんだ。
「いたたた。怪我はありませんか先輩?」
「ウチは大丈夫やけど恭介はひゃ…ん…」
和美先輩?
とりあえず俺は和美先輩を起き上がらせようと、掴んでる手に力を入れた。
「ひゃ…ぁ…きょ…恭介……ど…どこ触ってんのや…そんな力強く握ったらウチ……まだ心の準備が……ぁん…」
触っちゃまずかったかな?…あぁ、女の子だもんな。
「あ、すみません先輩。背中とはいえ…女性の体触ったら失礼ですよね。とりあえず離します」
そう言って和美先輩を起き上がらせて離した。
…………………………………沈黙……………ぁっ、明かりがついた。
目の前には真っ赤になってる先輩がいた。
「……………恭介……いま…なんて言った?」
「えっ、女性の背中触ったら失礼って…」
ドゴーーーーーーン!
「ぐはぁっ」
腹部に強烈な一撃。
「こ、この…アホんだらー!!!!」
和美先輩は去っていってしまった…そんな怒ることしたか?背中を……あっ、腰だったとか?
てゆーかボディーの一撃…効いた…明日試合なのに……ハァ…。
しばらく動けない恭介は溜め息をついた。