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Blackmail
【その他 官能小説】

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Blackmail-4

(コイツじゃないのか?)

「…何か用か?……」

黙っている琢磨に苛立ちを感じたのか、岡野は声を荒げる。

琢磨はとっさに話を変えた。

「すまない。間違えてしまった」

「…いい加減にしろよ」

岡野は捨て台詞を吐くと、電話を切ってしまった。

琢磨は、切れた携帯をしばらく眺めていた。

(…じゃあ誰なんだ……)

しばらく考え込んでいた琢磨。だが、やがて何か思いついたのか、醜く顔を歪めて笑った。





ー翌日ー

「部長、ご査収願います」

恭香は目の前に立っている琢磨を、不思議な面持ちで見つめていた。いつもオドオドしているのに、今朝は自信に溢れる表情でいたからだ。

(余程見直しが上手くいったのかしら?)

恭香は、その程度の事だろうと思いながら書類を受け取り、ページを開くと目を通す。

1ページづつ、真剣な表情で見つめる恭香。読み終えると軽く頷いてから、

「良い出来よ…これでプレゼンして来て」

そう言うと書類を返す。琢磨は、それを受け取りながら笑みを浮かべる。

「ありがとうございます!それでは」

踵を返し、自分のデスクへと戻る様は、威風堂々とさえ見える。
琢磨は、ブリーフケースに書類をしまうと会社を後にした。

(いつも、ああしてれば良いのに……)

恭香は、そこで思考を切り替えると、視線を元に戻してケースに山積みにされた、未決裁書類のチェックを始めた。

幾つかチェックを終え、捺印をした恭香は決裁済みのケースに書類をおさめていく。
と、その時1枚の紙切れが書類に紛れ込んでいるのを見つけた。

(…何かしら?……)

恭香は、紙切れを手にすると裏返す。瞬間、彼女は驚愕の表情を浮かべる。
それは、自身が自慰に耽る様を写し、下部の余白には赤文字で《メス豚》と書かれていた。

(…いったい……誰が……)

恭香は、目の前に広がるフロアに目を向ける。が、半数以上は外出しており、残っている部下達も彼女の事を見ている者はいなかった。


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