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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬 05話〜『今と昔と古傷の…』〜-3

攻守交代。

そして皮肉にも…拓也が3Pを決め、意外にも勝負は拓也の圧勝で終わった。

(これが現実…だな)

負けた恭介だが、試合の結果には納得していた。


「どーだ恭介。俺様の強さを思いしったか?」

「……あぁ。素直に俺の負けだ。うまくなったな」

「そーだろそーだろ?もっと褒めても……って…素直すぎて気持ち悪いな。お前…ホントに恭介か?」

「本物だっての…まぁ良いや。少し保健室で休んでくる」

そう言って恭介は体育館をあとにして…保健室に向かった。

それをいち早く追い掛けてく理緒。

夏輝も少し後から恭介が気になり追っていく。



(去年もそうだったけど、あいつ1本も外から射たないんだよな……やっぱり射てないのか…)

残された拓也が一人考えていた。



理緒は恭介に追い付く。

「恭介!!!」

「なんだよ理緒。俺が負けて泣いてるとでも思ったのか?」

「いえ…それは気にしてません…でも最後の決め手が3Pだったので…少し心配でした…」

「まったくお前といい鈴音といい…心配性だな。」

苦笑いする恭介。

「別に落ち込んでないよ…3Pが射てなくなった選手と…毎日練習してる選手………同じくらい運動神経が良い二人が勝負すれば、あれが当然の結果だろ。それに……」


「こんな腕になったことは後悔してないよ…気にするな。俺はなんでもないから…早く体育館戻れ」

そう言って…立ち去る恭介。


(ぼくが踏み込めるのはここまでか……やっぱり…美雪さんじゃないと…)

悔しくて拳に力を入れる理緒。


「理緒くん…あの、今の話って……」

その言葉にハッとする理緒。後ろに夏輝がいた。

「夏輝さん!ついてきてたんですか…今の話…きいてました?」

「うん…ごめんね…立ち聞きするつもりは…なかったんだけど…」

うつむき申し訳なさそうにする夏輝。


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