秋と春か夏か冬・番外編 4.5話〜『夏が混ざる日常』〜-1
「恭介どこ行くの〜?一緒にご飯食べようよ♪」
「俺は違う場所で食べる……てか離れろって。お前は他の人と食べれば良いだろ」
相変わらずくっついてくる夏輝。
「だって〜転校してきたばっかで…知り合い…いなんだもん…」
…忘れてた。
持ち前の明るさですでにクラスの人気者になっている夏輝…だが、やはり寂しいのかもしれない。
「…ったく。くっつかない条件で一緒に来ても良いぞ」
「やぁっぱり優しい♪♪♪」
そう言って抱きつく夏輝。
「…俺の言ってること理解してんのか?」
「恭介は厳しいなぁ。単なるスキンシップだよ♪」
…はぁ
心の中で小さくため息をつく恭介であった。
「…と、いう訳なんだ。今日からこいつも一緒にメシ食うけど良いか?」
場所は変わって屋上。
「よくやった恭介♪」
「あたりまえじゃない」
「こうなるって思ってました」
「賑やかで……楽しいです」
それぞれ当たり前のように話す。
どうやら渋ってたのは俺だけらしい。
「ありがとう♪みんな休み時間に会ったよね」
そう言って辺りを見渡す夏輝。
「あっ…うゎぁ〜この娘かわいい!!!うちの事務所入らない?こーゆー長い黒髪の可愛い娘、社長が探してたの。
そうだ!鈴音もモデルやる?背の高い綺麗な娘も欲しいんだぁ〜」
いきなり勧誘し始める夏輝。
ぶんぶんぶんぶん。
顔を真っ赤にして首をふる香織。
「理緒くんとの時間が減るから遠慮しておくわ。もちろん理緒くんも勧誘しちゃ駄目よ」
簡単にかわす鈴音。
見せ場とばかりに拓也が夏輝に言う。
「なぁ、俺なら喜んで夏輝ちゃんの力になるよ」
「ありがとう♪でも僕の事務所、お笑い芸人は扱ってないんだ」
意外とひどい夏輝。