秋と春か夏か冬03話〜『昼と呼び名と弁当と』〜-1
俺が屋上に着くと1人の女の子がすでにいた。
「ごめん、遅くなって…待ったか?」
ぶんぶん。
彼女…春野は首を横にふる。
「そうか、よかった」
それから2人は色々なことを話した。
春野 香織 16歳 D組で身長は155?。好きなことは音楽や読書…静かな場所にいること。
苦手なのは人混みと喋ること。
などなど…。
俺はふと疑問になっていることを聞いた。
「そーいえば昼休みはどこかで彼氏と食べてるのか?」
ぶんぶんぶんぶん。
彼女は顔を紅くして勢いよく首をふる。
どうやら彼氏はいないらしい。
話しているうちにわかったことがもう1つ。
しゃべることが苦手な彼女は、どうやら首をふる強弱で意志の強弱もしてるようだ。
つまりさっきのは
『わ、私に彼氏なんてそんな///』
みたいなとこだろう。
自分で考えておかしくて笑ってしまう。
…?
春野は首をかしげる。
「いや、なんでもない。じゃぁ友達と食べてるんだな」
…しゅん。
少し悲しんでるようだった。
違うのか?もしかして…
「…1人で食べてるのか?」
…こく
春野はうつむく。
「俺も1人でいるは好きだけど、メシくらい友達と食べた方が美味しくないか?」
彼女は悲しい顔でうつむき、小さい声で囁く。
「わ‥たし…こんな性格……だから‥友達…出来…ない‥の」
悲しい声でとぎれとぎれに彼女は話した。
(高校になってイジメはさすがに…ないよな?
てか鈴のクラスだし鈴がいる限り、その線は絶対にありえないか…)
恭介は軽率な質問に少し後悔をしつつ
「じゃあ俺は友達第1号ってわけだな」
そう言うと彼女は
「…はい///」
恥ずかしがりながらも笑顔で答えた。
その笑顔にドキッとしてしまう。