秋と春か夏か冬03話〜『昼と呼び名と弁当と』〜-3
ズドーーン!
俺の枕に鉄アレイが直撃。というか刺さってる……殺す気か。
……枕の綿がでてる。
あぁ3代目マクラ小尉…ついに死亡…殉職で二階級昇進。
みなのもの!マクラ大尉に敬礼…ってこんなことをしてる場合じゃなくて。
「鈴…俺を殺す気か」
「あら、よくわかったわね。あなたを殺して、理緒くんと二人きりになれると思ったのに」
血も涙もない女である。出るのは相手の血と涙。
「そもそもなんで鈴がここまで来てるんだよ。いつも待ち合わせは、駅の改札に決めてただろーが!」
「昨日のデートの余韻でね。理緒くんとまだまだ一緒にいたかったから、理緒くんちに朝早く迎えに行ったの」
…余韻で殺されてはシャレにならない。
つっこむ気も失せて、しょーがなく俺は着替え始める。
〜〜昼休み〜〜
さて…これからどうするか。
いや、屋上に行くことは決まっている。
問題はどうやってこの3人を撒くかである。
やはりみんな集まる前に屋上へ迎うのが得策か…。
(よし、いまのうちに…)
「よぉ♪昼休みだなぁメシ食おうぜ」
「理緒くーん♪会えなくて寂しかったよー♪♪」
バカと暴君の登場。
こいつらは俺の思い通りに動いたことあるのか?
昼休み5分経過…まずい…なんとかしないと…。
「…ちょっとトイレ行ってくるわ」
「おっ♪恭介、おれも行くよ。二人で連れションでもするか」
「…いや、やっぱ良い。おさまった」
ロン毛め…見張ってやがるのか?
「…ちょっと職員室まで行ってくるかな」
「あら、ちょうどいいわ。次の授業に配るプリント、持ってきてくれる?」
「…よく考えたら職員室行く必要なんてなかったんだ」
「は?この年でボケたの?いくらバカでもパシリくらいは出来ると思ったのに…パシリにもならないなんて…心外だわ」
なぜ…ぼろくそ言われなきゃならない?
俺もお前に心外だバカ野郎。
こいつら…無意識か?
無意識に俺を苦しめてるのか?