秋と春か夏か冬03話〜『昼と呼び名と弁当と』〜-2
「あぁ〜…そうだ!昼休みは屋上で食べているのか?」
こく。
春野は頷いた。
「じゃぁ昼休みも来て良いかな?」
…こくこくこくこく。
春野は少し固まってから勢いよく首をふる。
「よし決まり!…おっ、もうこんな時間か」
時計を見るといい時間になっていた。
「そろそろ帰るか?送ってくぞ?」
春野は少し考えて
「…あ‥‥用事…あるの」
遠慮がちに答えた。
「そうか、じゃあまた明日な」
そう言って屋上をあとにする。
「あ…秋津‥くん……ま…また明日‥ね」
春野は顔を紅くして言う。
(きっとあいつにとっては一生懸命言葉をだしたんだろうな…)
そう思い恭介も笑顔で応えた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ピピピピッ
朝、目覚まし時計が鳴る。
(昨日は夜更かししすぎた……遅刻して行くか…)
そう思い寝返りをうつ。
バァァン
部屋のドアが開いて理緒の登場。
「早く起きてください。遅刻しますよ」
「…理緒…遅刻していくから先行ってくれ」
「ダメですよ。それに…今日は起きないと少し危ないかもしれないです」
…危ない?
「理緒くん、私に任して♪」
その声と同時に身の危険を感じた恭介は、布団から飛び起きる。