トイレ-1
トイレに座って百八つ数えてごらん。
1・2・3・・一つ一つ噛み締めるように、
38・39・・ゆっくり・・・ゆっくりと・・
100・101・・・
107・・・
私の名前は亜季。高校一年生。趣味は読書。地味な女の子です。
好きな本のジャンルはオカルトと・・あとは・官能小説・・。
学校には共通の趣味を持った友人がいるので、ケータイで、その種のサイトを見つけてきては、情報交換を兼ねて、その話題で盛り上がっています。
とくに、仲良しなのが亜利沙。今はクラスは違うけど中学生の時からの親友なんです。どうやってるのか、マニアックなサイトを見つけてきては私に教えてくれるんです。
「亜季、彼氏は出来そう?」
「いつも、こうやって亜利沙と一緒にいるんだから、聞かなくても分かるでしょ。」
私は笑いながら膨れっ面をしてみせました。
亜利沙はケラケラ笑いながら
「だよねぇ。じゃあ、アレも未経験なんだ。」
「アレって!なっ、何よぉ」
「アレはアレよ。まだ、一人寂しくやってるんでしょ?」
亜利沙は話し方も大胆なので、私はたまに、恥ずかしくて、ついていけない事も少なくないのですが、亜利沙が教えてくれるサイトや話はいつも、刺激的で、私は亜利沙からその手のサイトを教えて貰うと、その日の夜にサイトを見ながら、私の敏感なところを触るのが日課になっていました。
「夜枕猥談ってゆうサイト知ってる?官能小説のサイトなんだけどね、そこの管理人のエムさんって人と、最近メールしてるんだぁ。」
「ふぅ〜ん」
「それでね、エムさんに教えてもらったの。幽霊とエッチする方法。」
「えっ!?ゆっ幽霊とえっちぃ?そんなのしたくないよぉ。」
「でも、気持ちいいらしいわよ。一人でするよりも・・そして、男の人とするよりも。」
「そんなの作り話に決ってるし・・興味ないからッ!」
と、言いつつ、結局聞いてしまいました。そして、私は今一人トイレに座っています。
話は非常に単純なものでした。トイレで108まで、ゆっくりと数える。すると、その日の夜、夢の中にエッチな幽霊が出て来て、幽霊とエッチ出来るそうです。
私はどうせ嘘に決ってるし、せっかく聞いたんだから、一度試して見ようと、トイレに座って数を数え始めました。
少し、心臓がドキドキしてます。私、何、緊張してるんだろう?バカみたい。