道。-3
雨に濡れながら
この雨が止み続けずすべてを流し去ればいいのに。
土地も人もその信仰もすべて。
血で汚れた大地を清算してくれればどれだけ救われるだろうか。
もうアガルタロスなどどうでもいい。
聖地がなんだ。
只の土地でしかないじゃないか。
熱が雨で冷えていくかのように、何もかも投げ捨ててしまいたくなった。
残酷にも夜はそれでも訪れる。
繰り返し繰り返し訪れてきた今までの夜とは明らかに異質の漆黒。
戦場での生、即ち奪い続けること。
それは第三者の手を血で汚すことじゃない。
自らの手を汚して生きること。
自らの手で幕を閉じること。
出口のない迷宮の中で静かにおれは引き金を引いた。