死の抗い〜始動と屍動〜-7
「「何だ(キャー)!?」」
後ろを振り向くと、拓海と友香が立っていた。
「よかった〜、二人とも止めてよね、心配したんだから。」
早紀は拓海と友香に近づいていった。
しかしその間に雄介が立ち塞がる。
「ちょっと雄介くん、何するのよ!」
雄介は早紀の言葉に全く耳を貸さないように、まっすぐと言い出した。
「お前達は本当に拓海と西原か?」
「何言ってんだよ雄介、どう見たってそうじゃねえ「喋るな!!」」
俺の言葉を遮って、普段クールな雄介が怒鳴ったことに俺達は驚いた。
すると拓海達が口を開いた。
「雄介ぇ〜、俺達を見捨てて逃げるだってぇ!!??」
「簡単に友達をみすてるんだね、お前なんか死ぬべきだよ。」
確かに喋っているのは拓海と友香たが、明らかに違う。間違っても死ねとは言わないし、
言葉一つ一つに殺気が篭っている。
「クロ、架城、わかっただろあれはもう二人じゃない。ただの化け物だ。」
俺達は否定しようとしたが、雄介も悪質な冗談を言うようなやつじゃない。
早紀を見ると頭が整理出来てないらしく、目が見開いたままだ。
「[かつて]の友達を化け物ねぇ。やはり簡単にはいかないな。」
「そうだね、殺っちゃうか。」
そう言うと人間では出せそうもない速さで二人が近づいてきた。
(これはやばいっ)
迫りくるものに目を閉じていた。
しかし時間がたってもなにも怒らないので目を開けてみると、
雄介が二人を警官が持っているような警棒のような武器で闘っている。
雄介は襲ってきたとき、もしもの時に入れといた、祖父の形見の武器--いわゆる神具といわれるものを、リュックから取り出して闘っていた。
(祖父ちゃんが生きていたときに鍛えられた腕で守ってみせる。)
しかし時間がたつにつれて二対一のせいで、焦りがみえてきた。