死の抗い〜始動と屍動〜-2
「おつかれさま。麦茶でもいれてくるから居間で待っててね。」
「じゃあお言葉に甘えさせてもらうな。」
そう言い俺達は居間へ荷物を置きに行った。
「いやー懐かしいな。よくこの部屋で遊んだよなー。そういや、この障子を破いては早紀の親父さんに怒られたっけ。」
「コラー!!!!!」
「わああぁぁ!!!???」
いきなり障子を開けはなてれて俺は尻餅をつくほど驚いてしまった。
その原因を作ったのは笑いながら立っている早紀の父だ。
「啓君、久しぶりだな、しかしでかくなってもかわらないな(笑)。」
「痛っー、おじさん、やめてくださいよぉ。本当にびっくりしましたよ。」
「愉快、愉快っと。それはさておき黒須君、ちょっと部屋を変えて話をしなくてようではないか。」
と早紀の父は親父を連れて隣の部屋まで行ってしまった。
※一人で待つこと5分※
台所から早紀が氷の入った麦茶と何かのった皿を持ってきてやってきた。
「お待たせーって、お父さん達行っちゃったんだね。まあいいや、啓くん、お母さんと一緒にクッキー焼いたんだけど食べてみて。」
「おぉ悪いね。じゃあもらおうか…な……。」
クッキーらしきものの置かれた皿をみると歪(いびつ)な形をした小麦粉の固まりがあった。それに手をつけられずにいると、
「どうしたの?たべてもいいんだよ?」
そんな芸術品の製作者は俺の心の中の葛藤を知らずに迫ってくる。
流石に食べないわけにはいかないので、恐る恐る一つを口に入れてみた。
「・・・うまい。」
「でしょ、でしょ、ちょっとだけ形をミスったけど会心の出来なんだから。」
(ちょっとだけかよ)と心の中でツッコミを入れつつ、食べていると、台所から早紀の母親が入ってきた。