雫-1
いつからか
泣くのを我慢するようになっていた。
そうやって、我慢しているうちに
哀しいって感情がわからなくなっていった。
ツライのに、苦しいのに、
涙が頬を伝うことはなかった。
人前では強がって、笑顔を作ったりもしていた。
誰にも気付かれないように、とことん笑顔で。
それなのに、どうしてかなぁ？
なんで、キミは気付いたの？
「泣いてもいいんだよ」
その一言にどれだけ心打たれただろう。
でも、弱くなったらいけない
弱くちゃ誰も近くにいてくれない。
そう思ってた。
「泣くってことは弱いことじゃない。泣いてもまた笑って、それで強くなれるんだから。だから、泣いてもいいんだよ。」
どうして、どうしてキミは・・・
あたしの欲しい言葉をくれるの？
あたしのそばにいてくれるの？
そんなことを思いながら、透明な雫が頬を伝い落ちていた。