Dear My Friend-1
こんなことになるくらいなら、好きになりたくなかったのに。
そんな風に思うのは僕のわがままで。そんな自分が嫌で、嫌で・・・
―一ヶ月前、青春真っ盛りの高校二年生の僕は、勝負の日を迎えていた。そう、告白の日というやつだ。
相手は今は隣のクラスだけど去年は同じクラスだったあの子。
彼女と僕はかなり仲が良く、マメにメールをするし、よく話もしている。二人で遊びに行ったことも何度かあったからOKをもらえる自信はあったんだ。なのに・・・
『一日だけ考えさせて?』
それが返ってきた返事だった。
―次の日、昨日緊張のあまり寝れなくて、授業の大半を寝て過ごした僕の教室の僕のところに彼女は来て話し始めた。
『昨日はありがとう。キミから告白されるなんて思ってもいなかったからびっくりしちゃったよ。すごく嬉しかった。』
「じゃあ・・・」
『でもね。・・・ごめん。やっぱりキミとは気の合う友達でいたい・・・。それ以上には・・・見れないの。・・・本当にごめんなさい。』
彼女は泣きながら、それでも僕の目をしっかり見てしぼりだすようにそう言った。
「・・・うん。」
僕は彼女を泣かしてしまったショックと大きすぎる悲しみでそうとしか言えなかった。
『・・・だけどね。決してキミのことが嫌いなわけじゃないの。それだけはわかって欲しい・・・。だから明日からも親友でいてくれる・・・?』
「もちろんだよ。・・・ごめんね。ありがとう。」
今度は僕のほうがしぼりだすような声で言った。本当は、心の中は今にも泣きだしそうだったけど、彼女の困った顔をもう見たくはないから。必死にこらえていた。
『なんでキミが謝るの?謝んなくちゃいけないのは私のほうだよ。ごめんなさい。本当にキミは優しいね。』
彼女はまだ泣きながら、でも無理に笑ってそう言うんだ。
そんな彼女を見て、やっぱり僕は彼女のことが好きだったんだと思った。
でも、彼女の恋人にはなれないという現実。それが僕の胸をぎゅうぎゅう締め付ける。
このまま彼女の前にいると感情が溢れ出しそうで。僕は
「ありがとう。じゃあまた明日ね。」
それだけ言うと逃げるように教室から出た。
そのあとのことはあまり覚えていない。
ただ気が付くと自分の家のすぐそばの公園のブランコに座っていた。
時計はもう9時をまわっていて、ちらほらと見える電灯のほかはほとんど何も見えない闇の世界の中に僕はいた。
あれからずっと泣いていたんだろう、まぶたがとても痛かった。
一月の寒い夜空の下にいて風邪でもひいたか、それとも失恋のせいか、頭も痛い。
そんなことを考えていたら、また涙が出てきた。