Dear My Friend-2
「・・・もうどうでもいいや。」
そう思って暗い公園で泣き続ける僕をただ電灯だけが照らしていた。
一月らしい澄んだ空気の上で星たちがやけにきれいに見える日だった。
あの頭痛は本当に風邪だったのかもしれない。その日のうちに熱が出て、強烈なだるさに体を襲われた僕は次の日から学校を三日間休んだ。
いろんな友だちからメールが来たけれど彼女からは来なかった。
うれしいような悲しいような微妙な気持ちだった。
風邪が治って学校に行った日、一番最初に声をかけてきたのは彼女だった。
『おはよー!大丈夫?風邪引いたんだってね。だめだよー、体に気を付けなきゃ。じゃあね♪』
彼女は僕に話すスキを与えずにそれだけ言うと自分の教室に入っていった。
僕はこの時二人の関係がギクシャクしてしまったことを実感した。
それからは前より数こそ減ってしまったが、メールもするし、話もしている。
彼女の言った「親友」の関係のままでいた。
ただ、時々
「彼女が僕に見せる笑顔は本物なんだろうか?」
と思うことがある。
他の男子と話している時の彼女のほうが生き生きしているように見えることがある。
それは僕の気のせいかもしれないし、事実かもしれない。
でも、彼女と話している男に嫉妬している僕の心は事実だ。
そんな醜い感情を抱えている僕をみんなは知らない。彼女も知らないだろう。
僕だけがこの気持ちを知っていて、僕だけがこの気持ちを忌み嫌っているんだ。
この気持ちをどうにかするには、
「うつむいてちゃダメだよな」
僕はそうつぶやいて暗闇の中で彼女にメールを送ってから、あの公園のあのブランコから飛び降りた。
家まで歩いて帰る途中、ふと空を見上げたらあの日と同じ、いやそれ以上の星たちが輝いていた。
その中の一つが流れたのを僕は見逃さなかった。
「明日は良いことがありそうだ」
僕はそんなことを思いながらポケットの中の携帯を握りしめて、ゆっくり歩いて行った。
完