私記 1作目-3
心臓は早く、呼吸も早く、苦しい。
(過換気症候群…過呼吸の発作かな、袋呼吸すればいいのかな)
と、思うものの、行動には移せず・・・
(く、く、く、苦しい。救急車…)
親に救急車を呼ぶかと聞かれ、頷き、救急車を待った。
父親も来た。おい大丈夫かと足を叩く。
・・・何がしたい。
私は少し怖くなった。
暫くして、少し落ち着いた頃、救急車は来た。
ゆっくりと歩いて救急車に乗る私。
表情は険しい。
名前や生年月日や住所を答えていく。
険しい顔だろうな。苦しいのに答えさせないでよと思いつつも、答えていく。受け入れて欲しい病院も聞かれる。
(事務的なものか、意識をみているのか…)
私が辛い時に行きたいと思う、近くの救急指定病院に受け入れが決まり、救急車は搬送する。
病院に着き、私を乗せたタンカは診察室へ行く。
救急隊員から医師に簡単に引き継ぎ、医師は診察した。
(救急救命か外科のドクターだろうか…若いな。大丈夫だろうか)
点滴させて薬を出して診察は終わろうとした。
看護師は医師に一人で大丈夫か、帰れそうか聞いていたので、「母が付き添いで来てる」と言ってやった。
母も診察室に呼ばれた。
母に薬を出すと言ったが、セルシンを出すと言った所で私は
『セルシンいらない』
と言ってやった。