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平和への道のり
【アクション その他小説】

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Ethno nationalism〜激突〜-1

「じゃあ、すまんな!」

夜6時。相川は仕事を切り上げると仲間に声を掛ける。すると〈早く帰って娘さん喜ばせて下さい〉と返ってきた。
更衣室でスーツに着替え、早々に警察署を後にする。

今日は娘の誕生日。

(このところ忙しさから顔も会わせていなかったからな。たまにはサービスしないと忘れられちまう)

その手にはプレゼントが握られている。

〈白いボンボン付きのニット帽〉

女房に頼んで娘の欲しい物を調べてもらったが、よく分からない。そこで女性職員に頼んで買って来てもらった。

久しぶりに会う娘の喜ぶ姿を想像しながら、相川はバス停へと急ぐ。

その時だ。

「いやあぁぁー!!誰か!」

そばの公園から悲鳴が響く。相川が駆けつけると、男2人が取っ組み合いの喧嘩をしているではないか。

(…やれやれ…警察署の近くで止めろよ)

そう思いながら携帯を出した時、

「オマエ!何しとんじやぁぁ!!」

男の一人は、相川に掴み掛かると携帯を叩き落とし、さらに強く踏みつける。
そして、相川に殴り掛ろうとした時、見かけた者が通報したのだろう。サイレンと共にパトカーがやって来た。

男達は闇に紛れるように逃げて行く。その後を警官達が追ったが捕えられなかった。

一人の警官が、倒れている相川を起こしながら、

「大丈夫ですか?……あれっ、相川さん…」

相川は立ち上がり、服に付いたホコリを払いながら、

「すまない。助かったよ」

そう言って、先ほどの女性を探したが見当たらない。どうやら面倒に巻き込まれるのを避けたようだ。

(まいったな……)

それから、思い出したように携帯のそばに近寄ると、

「…こりゃ……」

拾い上げた携帯はジョイント部分が折れ、ディスプレイは割れていた。

「相川さん。被害届けを出しましょうか?」

警官の問いかけに相川は苦笑いを浮かべ、

「明日にするよ。今日は娘の誕生日なんだ」

「じゃあ、自宅まで送りましょうか?」

警官が放った真面目な提案に、相川はニヤリと笑うと、

「そんな事してみろ。いよいよ娘に嫌われちまうよ」

警官にお礼を言った相川は帰路についた。


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