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サクラゴコロ
【コメディ 恋愛小説】

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サクラゴコロ第一話〜黒い策略とうれし涙〜-2

「ねっねえ!真由っ大丈夫?」
「えっええ、大丈夫よ詩織。でもなんだか違う世界へ行っていたみたい」
「まっまあ、いいじゃなか?来たんだから。それより竜馬達見なかったか?」
「竜馬達なら駅の中にいたわよ」
「ああでも、なんだか様子がおかしかったな」
「晶、様子がおかしいってどんな感じだったんだ」
「う〜ん?竜馬君が恥ずかしそうにしている華椰さんを説得しているみたいな感じ?かな」
「ふ〜ん、そうか。まあ時間だし電話で呼ぶか」
1コール、2コール、3コール、4コール、5コープッ
「なんだ修士?あっもしかしてもう時間か?」
「ああそうだ。駅の中にいるのは分かっているんだ、早く来いよ」
「おー今行くぞ。プッ」
まったくセッティングした本人が遅れるなんて。おー来た来た、二人手をつなぎ、肩を寄り添っっっっ!
「おー悪い悪い、遅くなっちまったな」
「皆さんごめんなさいですぅ。遅れまして」
「おい竜馬!ちょっと来い!!」
俺は竜馬の腕を掴み端へと連れていく。
「おいおい引っ張るなよ」
「なんなんだ!あれは?」
「遅れたくらいで怒るなよ。実はな、どうしても華椰と手をつなぎたかったんだけど、華椰が恥ずかしがって、なかなか手をつながせてもらえなかったんだ」
「いやな、そういう事を聞いているんじゃなくてな、どうして、手をつないであんなに寄り添っているんだって聞いているんだ」
「ああ、そっちのほうか。いやほら、俺達付き合ってるし」
「なにっ?でも屋上でまだ返事もらってないっていてたろ?」
「ああ、あれ?いやほら、嘘も方便って言うだろ?それに、知らないのお前だけだったし」

神様ボクノトナリニイル悪魔ヲナグッテモイイデスカ?

「おいおい。そう怒るなよ」
「は〜〜〜〜っ」
「それとお前が告白することも、みんな知ってるから」

有罪、被告人・石倉竜馬を死刑に処する。

ゴフッ

俺の拳が竜馬の鳩尾にめりこむ。
「ゲフッ」
「一遍死んでこい!」
「そっそう怒るなよ親友。マジでお前のパンチはしゃれになんねえから」
「てめぇが殴られるようなことしたんだろーが!」
「しょうがないだろ。修士と詩織をさりげに二人っきりにするためのプランをみんなと練るためにはさ」

嘘だ絶対嘘だ。絶対楽しんでやがる。

「本当だって本当。それに当然詩織には言ってないし」
「はぁ、まあ、過ぎたことは仕方がないにしてもだな、今日の告白がうまくいかなかったら学園の屋上から紐なしバンジーさすぞ!」
「OK、OK。その代わり、うまくいったら今度飯奢れよな?」
「わかったよ。ったく。じゃあ、みんな待ってるし、行くぞ」
俺はみんなが待っている方へと歩いていった。

この時は知らなかったんだ、俺の後ろで竜馬が真っ黒なオーラを背負い、真っ黒な笑みを浮べていることを…。

「ねぇ?なにしてたの?」
「竜馬のことでちょっとな」
「ちょっとってなによ?」
「竜馬と俺の問題だ」
「もう、少しくらい教えてくれたって、いいじゃない」
そう言うと詩織は、すねたように唇を尖らせた。

ハア、ホント詩織は表情豊かでカワイイなぁ。っておかしいって、俺。

パン!

「よし!みんな揃ったな。本日は、わたくし石倉竜馬主催のシーランドツアーにご参加下さいまして、誠に有難う御座います。再来週には、期末テストが控えておりますが、今日はその事は忘れ、存分に御楽しみ戴けましたら此幸いかと存じます」

パチパチパチ。

竜馬が慇懃に挨拶をすると皆とりあえず拍手をした。


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