彼女と眼鏡-1
彼女が眼鏡をかけるとき
授業のとき。
本を読むとき。
アイツと話すとき‥‥。
「三浦、お前なんでいつも眼鏡じゃねぇの?」
見えないなら‥‥
どうせなら‥‥
いつもかけてればいい。
「えっ?だって‥ずっとかけてたら疲れちゃうし‥よく見えないほうが都合いいときもあるの!!目のいい岡田には分かんないよ。」
「ふーん‥。じゃあ何を基準に眼鏡かけんの?」
何で俺と話すときはかけないわけ‥‥?
「うーん‥授業中はかけるでしょ。基本的に興味あるもの見るとき?」
アイツには興味あって、俺には興味ないってことね。
「あと解剖の実験のときはかけないっ!!実験にならないんだけどね。」
そう言いながら笑う三浦が眩しかった。
「あと‥‥‥」
「あと?」
「好きな人と話すとき。」
そりゃ顔をよく見たいですもんね。
「顔よく見えたら、うまく話せないじゃん?」
「えっ‥‥?」
「よく見えたら、もっと好きになっちゃうし?」
そう言う三浦の顔が綺麗に朱く染まった。
たぶん、俺と同じくらいに。
〜fin〜