きみに言いたかった-1
きみの声を最後に聞いてからどの位経っただろう
きみの顔も、声も、はっきり思い出せないよ
まだ別れて二ヶ月しか経ってないのに━━
でも何故だろう
きみとの楽しかった思い出
きみと行った場所
初めてキスした場所
初めて体を重ねた日━━
痛いくらい鮮明に覚えてる
初めてのデートで俺はきみに告白した
告白するつもりはなかったのに
きみが俺にそうさせたんだ
終わらないと思ってた
この恋だけは終わらせたくないと思ってた
きみもそう言って側にいてくれた
『あなたを最後の人にしたいの』
嬉しかった
きみさえいてくれれば他に何もいらなかった
本当に━━
でも
付き合って一ヶ月
俺たちは離ればなれになってしまった
俺の新しい仕事が始まる前の日
映画を見に行ったね
その帰り道
きみは泣いてくれた
『離れたくないよ』
と━━
でもきみはその一ヶ月後━━
俺に別れを告げた━━
クリスマスも年明けも
一緒にいようって言ったのに
何一つ約束は果たされることなく━━
きみともう会えないと思うだけで
もう声が聞けないと思うだけで
涙が溢れた
きみはこんな俺を女々しいと思うかもしれない
でも
俺はきみ以外考えられなかったから
当たり前だけど
俺にはきみしかなかったから━━
ほんとは二人きりできみに言いたかった言葉
せめてこの場を借りて言いたい
“Merry Christmas”