イヴの奇跡-7
『あ…あとご主人様は、私にミルクとパンをくれたよ。』
などと言って、微笑むイヴ。
その笑顔に神崎のものがぴくりと反応する。
が、
もしも、目の前の女が言う言葉が正しければ…自分はとんでもない行為をしてしまったことになる。
固まったまま、イヴと繋がる神崎の腕をイヴはつんつんと突く。そして、
『…続き…しよ?』
可愛い女の子にそんなおねだりをされて断れない男はいない。
『くそ…。どうにでもなれっ!』
半ばヤケクソに神崎はイヴに深い口付けを交わす。
深いキスを交わす途中にイヴから洩れる甘い声が神崎の体を動かし、冷静な思考を失わせた。
『あっ、あっ、んっ!あぁん!やっ…変なのっ、来る…っっ!』
これで何回目だろうか。
腰を動かすたびにイヴの声が室内に響き神崎の物を締め付けあげる。
神崎の物は一般の人間よりも長く太い、更に亀頭の部分も大きい造りをしている。
なので、僅かに動くだけでも亀頭の部分が膣壁をぐりぐりと刺激してしまい、イヴの体は何度も何度も絶頂を迎えた。
もちろん、
神崎もこれで4、5回目の射精をしているのだが、中々自分の物がおさまってくれないのだ。
6回目の射精が終わり神崎は自らを引き抜き、イヴの体の上に倒れるように覆い被さった。
正直、自分がここまでイクことのできる人間だとは思っていなかったのと、ここまで体の相性が良い人間…?に出会ったのとで驚いていた。
『さかりのついた猿か…』
はぁ。
と小さく神崎は独り言を呟いた。こんなことを思春期でもしなかった神崎にとって、自分がいかに浅はかな人間なのかと気落ちしてしまう。
すると、ふわりと髪を撫でられる。
『…私が…したかったの。ご主人様と、たくさん…繋がりたかったから…』
気を使っていることが直ぐに分かる発言だった。
イヴは神崎のせいではなく自分のせいだからと言いたいのだ。そんなこと、今まで多くの人間と関わってきた神崎に見抜けないはずがない…。
『馬鹿なやつだ…だからすてられたんだな。』
困ったように神崎は笑って、ぐったりとしているイヴに軽い口付けをした。
今まで、多くの人間と関わり、社長としてやってきたわけだが、いかに人間は汚く傲慢な生き物なのかを思い知らされてきた人生を神崎はおくってきた。
ミスや不手際は全て、自分が悪い悪くないに関わることなく社長である神崎の責任。
時には、信頼している部下に裏切られ、時には、社長だからと責任をなすりつけられてきた。
そして神崎は誓ってきたのだ。
信じられる人間など自分以外には存在しないと。
生きていく限り、
敵も味方もいるのは覚悟していた。だが、神崎は信用することさえ忘れてしまった。