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イヴの奇跡
【その他 官能小説】

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イヴの奇跡-3

見上げたイヴの瞳に映ったのは神崎の裸の姿だった。
これが人間だったら、神崎のしなやかに引き締まった体を見て頬を朱く染めて、顔を背けるのだが……、猫のイヴには恥ずかしいなんて感情は持ち合わせていない。

もちろん、神崎だって猫を目の前にして恥ずかしいなんて思うわけもなく…

『お前、汚れているのかと思ったが、元々グレーだったのか…』
と、苦笑いしながらイヴの体につく泡を念入りに落とす。


−そうだよっ!汚れてなんかないもん!

イヴはそう伝えたいのだが、神崎にはみゃーみゃーとしか聞こえない。

『ま、綺麗になっていいだろ。』
と、勝手に勘違いまでされてしまう始末だ。

−違うのに〜っ!


そうして、神崎は自分の体もついでに洗う。
浴室から上がった時には時計は既に23:00を過ぎていた。

二回りも小さく見えるイヴを神崎はタオルで丁寧に拭いてドライヤーをかけてやった。
段ボールに入っていた時よりもフワフワとした毛並みを揺らしてイヴは神崎から貰ったミルクと鶏肉を頬張っている。
隣で神崎も珈琲とパンを口に運ぶ。そして、時々パンを小さくちぎってイヴのミルクのお皿にパンを入れてやる。

『たくさん食えよ…』

独り言を呟きイヴを見つめる神崎の甘い表情は、職場の人間(女子)が見ようものなら、瞬殺 ものだろう。

食事を済ませると神崎は寝る支度をしながらパソコンに向かいキーボードを叩く。
毛繕いを行っていたイヴだか、不規則に動く神崎の手にじゃれはじめる。

−えぃ!えぃえぃ!

イヴの猫パンチが容赦なく神崎を襲う。

パチッ、

『あ、こら、文章間違えただろ!』

…が、イヴはお構い無しに神崎の手にじゃれつく。
それを見た神崎は、はぁ。と困ったように笑ってパソコンを閉じた。

30分もパソコンに向かったのだろうか?
神崎はふと時計に目をやると時刻は23:30。

『さて、明日も早いしねるか…。ホラ、お前には部屋を与えたんだから……』

既に神崎の膝の上で丸くなって眠るイヴ。その寝顔に癒されぬものはいないであろう。

『まぁ、初日ぐらい…一緒でもいいか。』

困ったように笑う神崎。
ここにも、飼い猫に癒されて甘やかす人間が一人居たのだった。


神崎の寝室はイヴと同じぐらいの広さだ。ベッドは大型のダブルベッドでインテリア家具らしき証明がベッドの横に配置されている。

神崎はそっとイヴを足元に置いて頭を撫でる。が、イヴはもうすっかり夢の中へと誘われているのでピクリとも動かなかった。

『おやすみ…。』
そう一言告げると、神崎もすぐに眠りにつくのだった。


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