「美女と野獣・・・」-72
街道沿いの、見るからに高そうなピカピカ光るネオンに照らされた洒落た洋風の城
みたいなラブホを横目で睨みながら、一本入った細い裏道を延々とクネクネ走り、
山があるはずの無い横浜郊外なのにも関わらず、突如現れる真っ暗闇。
その暗闇をやっと抜けた先には、二流三流のラブホテル郡が何件も立ち並んでおり、
見た目と名前で彼女が選んだホテルの駐車場に車を停めた。
中に入ると、外観から想像した通りの広々とした落ち着いた部屋だった。
何より驚いたのは、ベッドルームからバスルームが丸見えな事。
分厚いガラス1枚を隔ててはいるものの、全面ボカシ無しのガラス張り。
しかも広いベッドルームと同じ位の広さを持つバスルーム。
浴槽が何とも可愛らしいハート型になっていて、
その形に反して、二人で入っても全くくっつく必要の無い程の大きさである。
洗い場はというと、部屋の隅にドッシリとたたずむキングサイズのベッドが楽に3つ入る広さ。
何をする為にこんなにもドデカく作られたかが理解不明である。
値段のわりに豪華だった事でオレと彼女は有頂天になった。
いつもは眺めるだけで終わっていた大人の玩具を購入し、
いつもは見もしないTVを点けて、少しでもエロに浸ろうと
アダルトチャンネルを転々と見定める。
たわいの無いアエギ声に、たわいの無いSEX。
どのチャンネルもエロくないエロビデオが流れる中で、
一つだけにリモコンのボタンを押す指が止まった。
20本位はあろうかという何本もの手が、
台の上かなんかに乗せられたグラマラスな裸体を弄んでいる。
両手を縛られているのか、画面には映っていないが、
ただ身体をクネクネと、モジモジとよじらせている。
次第にその多数の手は陰部やふくよかな胸を攻めだし、
にわかに滲み出た汗のせいで、その女優の裸体がテカリだしてきた。
手の動きが盛んになればなるほど、女優のアエギ声は一層大きくなり、
身をよじる動きもテカリ具合も激しくなる。
普通のエロビには見慣れていたものの、多数の手に犯されるその光景には
さすがに驚き、興奮し、横に寝転がる彼女の存在すらも忘れて見入ってしまった。
ズボンを突き破る位にそそり勃ったビンビンのブツをシャツで隠しつつ、
平静を装ってタバコに火を点けながら、もうちょい待って!
もうちょい待ってて!と彼女をなだめる始末。