「美女と野獣・・・」-68
短い間だったけど楽しかった。
嬉しかった。
私の事は心配しないでね。
死にはしないから。
死んだらSくんに会えないから。
私は生まれ変わります。
いつの日か、Sくんと再開出来る様に。
Sくんとまた笑い合える様に。
自分に自信が持てる様な人になるよ。
家の場所、嘘ついててごめんなさい。
堕胎、2人になっちゃってごめんなさい。
今までありがとう。
本当にありがとう。
そして本当にごめんなさい。
R
涙が溢れ出ていた。
手紙を持ってる手が震え、ぶつけようにもぶつける先が分からない自分に
一層腹が立った。
イジメた連中に?
Rを犯したヤツに?
勝手に消えたRに?
強引にも一緒に付いて行かなかったオレに?
全く気付かなかったオレに?
全てに腹が立った。怒りが満ち溢れていた。
悔やんでも悔やみきれないこの思い。
自然と部屋の壁をぶん殴っていた。
壁に大きな穴が開き、ボロボロッと壁の破片が下へ落下する。
そんな事にも気付かない位、オレの気持ちは真っ逆さまに地獄へと落下した気分だ。
言ってくれりゃぁ良かったのに・・・
嘘を貫いてくれりゃぁ良かったのに・・・
あれは嘘だったとでも言ってくれりゃぁ良かったのに・・・
後悔は必ず後からやってくる。
しかしその全てが後の祭り。
どんな状況ですら、今のオレはRを許す事が出来る。
たとえどんな状況ですら。
だから・・・
だからもう一度帰って来てくれよ!オイ!!