「美女と野獣・・・」-6
体育館の外で誰かが笑いながら話している声が微かに聞こえる以外は、
床と上履きが摩擦するキュッキュッというRの足音しか聞こえない。
Rは舞台へ上がり、裾の奥へと進んでいくが、
ついさっきまでいた彼が何処にも見当たらない。
と思った瞬間、背後に気配を感じ、
咄嗟に振り向こうとした時に後ろから胸を鷲掴みにされた。
「ちょっ・・・やっ!やめて!」
強引に振りほどこうとしたが、背中に密着され、
しかも両腕も一緒に抱え込まれたものだからどうする事も出来ない。
「まぁそんなに嫌がるなって。オレ達付き合ってるんだぜ?」
「・・・イヤ!・・・ちょっと・・・ほんとにやめて下さい!」
「あんま大きな声出すなよ。みんな寄って来ちまう。」
背後から耳元に向かって囁かれると同時に、
体育館の熱気よりも更に生暖かい、そして荒々しい吐息が
耳に吹きかけられる。
薄手の制服の上から胸を揉まれている為、
ブラジャーが間にあるからといっても
直に触られてるのに近い感触が一層嫌だった。
「いやっ!ちょっ・・・やめて下さいっ!ちょっと誰か・・・」
「うるせー!てめーいい加減にしろよこの野郎!優しくしてやってんのに・・・」
「どこが優しいの?いきなりこんな・・・・あんなに好きだったのに・・・」
「オレの事が好きなんだろぉ?だったら静かにしてりゃぁいいんだよ!」
白くて張りのある太ももを覗かせているミニスカートを捲くり上げ、
舐める様に太ももを撫で回す。
あまりの暑さと、襲われるという恐怖から、
冷や汗混じりの脂汗が全身から吹き出るのが分かった。
特に背中は制服たった一枚を隔てて彼と密着している為、
きっと彼が離れたとしても、汗で制服が背中に張り付いている事だろう。
何がいけなかったの?
私の見る目が無かったの?
こんな人だとは思ってなかった・・・
こんな人だとは・・・
その時ふと自分の尻に何かの感触があるのに気が付いた。
後ろから抱きつかれ、片手で胸を鷲掴みされながらもう片方の手で
太ももを撫で回され、自分の尻と密着しているのは彼の股間だった。
見る事は出来ないが、尻に食い込んでいるのは確かに彼のそそり立ったブツだ。