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「美女と野獣・・・」
【レイプ 官能小説】

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「美女と野獣・・・」-53

その17


かれこれ15分ほど経っただろうか。

時間を知る術が何も無い為に、今は一体何時なのか、

Rがコンビニへ向かってから何分経ったのかが正確に分からないでいた。

川の水面に反射した月がゆらゆらと踊っている。

満月に満たない月だが、十分過ぎるほど暗闇を照らしていた。

橋を通る車はもうほとんどいない。

こんな河川敷にはもう誰もいないだろうな・・・

と、その時、遠くで何かの音が聞こえた。

まだ人がいたのか・・・

あまりに小さい音だったので耳を澄ましたが、

緩やかに吹く夜風のせいで、バチン、バチン、と

不定期的になっている音しか聞こえない。

月を見ながら酒でも飲んでるんだろうか・・・

今更ながら、付き合い記念の乾杯なんだから酒でも良かったかな、と後悔した。

酒は買ってくんなよ?ははは。

何を固いこと言ってんだオレは・・・。

しかしまさか付き合う事になろうとは・・・

いや、ノリで告ってしまった訳ではない。

Rの変貌振りに心打たれたワケじゃない、と言えば嘘になる。

眼鏡の奥に秘められた原石を発見し、誰にも言わずに自分の内だけに隠していた。

オレだけに見せる素直な性格。

オレだけに見せる無邪気で愛らしい笑顔。

そしてオレだけに見せる本当のナイスバディ・・・。

例え今夜、Rが変貌していなかったとしても、

オレの気持ちに変化は無かったであろう。

過去のイジメ。過去のレイプ。

聞くに堪えられない話しを、Rは全てオレに話してくれた。

二度とあってはならない!

人並み以上に受けた重く暗い過去の分、

オレが明るい未来へ連れてってやんなきゃ・・・!

「だーっはっはぁ!」

さっき音がしていたのと同じ方向で誰かがバカ笑いをしている。

誰かいるんだろうか・・・

オレは立ち上がり、尻に付いた砂を払いながらその方向へと歩いていった。


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