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「美女と野獣・・・」
【レイプ 官能小説】

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「美女と野獣・・・」-35

その12


住んでる街から多摩川まではさほど遠くはないものの、

チャリで行くには遠すぎる為に、オレとRはバスを乗り継いで目的地に着いた。

既に凄まじい人だかり。

小さな子連れファミリーや、成人カップル、じーさんばーさんの集団や

オレ達の様な若いカップルまで。

いや、オレ達も傍から見ればカップルと思われているに違いない、と勝手に妄想する。

普段はたった何人かがキャッチボールや釣り等をしている閑散としたこの河原が、

溢れんばかりの見物客でごった返している今は、

昼間のソレとはまるで雲泥の差である。

オレとRは比較的人の少なめな川沿いのコンクリートで出来た土手に腰を下ろした。

乗ってきたバスの中では、少しでも盛り上げようとすればする程

逆に変なペースになって、しかもRの美貌ぶりに度を越えた緊張がオレを襲い、

ギクシャクした会話となっていたのだが、

この賑やかな人混みと心地良い爽やかな夜風が

オレとRの緊張を解してくれた。

徐々にお互いいつも通りの電話の調子を取り戻し、

いつしか腹の底から笑える様になっていた。

とその時、ドーン!という激しい地鳴りと共に、

周りの見物客からも驚きや悲鳴や歓声ともとれるオオオォォ!という声があがり、

その数秒後にはいつの間にか真っ暗になっている夜空の中に

巨大な華々しい花火がスパーッと浮き出てきた。

「お!オオォォ!スゲーッ!」

「わぁ!すごいキレイだねぇ!」

連発して打ち上げられる花火に見惚れ、

それまで順調だったRとの会話が一時中断となった。

Rはずっと花火に夢中になっていたが、

オレの視線は時たまRに気付かれない様に

花火とRの顔とを行ったり来たりしていた。

夜空で花火が咲いた瞬間、

その強烈な閃光によってRの可愛らし気な笑顔がハッキリと見てとれる。

「オレさぁ、・・・Rの事が・・・」

ドーーーンッ!!

Rは何も気付かないでいた。

いや、気付かないふりをしていたのかもしれない。

それ以上言わないで・・・と。


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